- 「5秒ルール」
【ルール】
GKがボールを手で保持しており、リリース可能な状態になってから5〜6秒以内にボールをリリースしない場合には、相手側チームに間接FKが与えられる。
これには、GKが手以外でボールをキープしている(例:ドリブル)時間は含まれない。ただし、この場合でもGKがペナルティエリア内でいたずらに時間を浪費していると主審が判断した場合には、遅延行為として警告が与えられる。
【審判へ】
ここでの「5〜6秒(または従来からある4ステップ)」は、厳密な時間ではなくおおよその目安として捉えて頂きたい。
要はこのような「目安」以内で、GKが時間浪費をすることなくボールを速やかにリリースしようとしているかどうかが判断基準となる。
なお、上記の手でボールを保持していた場合の時間浪費に対する警告を与える必要はなくなった(これは「必ず与える必要がなくなった」ということであり、悪質なケースや繰り返し反則がなされたケースでは警告を与えるべきであろう。)
- バックパス
【ルール】
味方がスローインしたボールを、GKが手で扱った場合には、相手チームに間接FKが与えられる(改訂)。
また、従来からのルール通り、フィールドプレーヤーが意図的に足で行なった(バック)パスをGKが手で扱った場合も同様である。
【補記】
バックパスは「意図性」が問われるものであり、たとえば味方選手のミスキックが後方にそれたボールや、単に味方選手に当ったボールは通常バックパスとはみなされない
またルールではヘディングなどによる(足によらない)バックパスを禁じてはいないが、たとえば足元にあるボールをわざと空中に上げてヘディングでGKに渡すようなプレイは「反スポーツ的行為」として罰される。
- ボールの手での取り扱い
【ルール】
GKがボールを手から放す、しかも他の選手が触れることなく、再びボールに手で触れた場合には、相手チームに間接FKが与えられる。
【補記】
上記反則には、GKが4歩動く間以内で行なうボールをバウンドさせたり、空中に放り投げたりすることは含まれない。また、たとえばシュートを手で弾いた後に改めて手でキャッチするといったことも含まれない。
要は、GKがプレイ可能な状態で手でボールを保持し、それをリリースした(自分の支配下から放した)後に再度手で触れてはならないということである。
- GKへの干渉
【ルール(1)】
GKが手でボールを保持している場合に、GKからのボールリリースを相手側選手が妨害した場合には、GK側チームに間接FKが与えられる。これにはGKが手以外(足)でボールを扱っている場合は含まれない。
【ルール(2)】
これまでルールに明記されていた「キーパーチャージ」という反則(ゴールエリア内にいるボールを手で保持したGKへのチャージ)はなくなった。ただし、GKへの不当な干渉や危険な行為は、上記ルール(1)や12条(反則と不正行為)により罰せられることは言うまでもない。
- バックタックル
【ルール】
後方からのタックルは、相手選手の足にほとんど触れずにボールに正しくタックルされた場合を除き、「悪質な反則」として相手側チームに直接FKが与えられる。また、悪質さの度合によって、警告/退場が与えられる。
【補記/審判へ】
W杯での「バックタックル=一発退場」ルールが喧伝されているが、ルールとしては必ずしも警告や退場を与えるべきとは言ってはいない。あくまでも反則の程度により警告/退場を与えるべきである。ただし、「悪質な反則」という強調がなされていることに留意されたい。
- チャージ
【ルール】
正当な方法でのチャージ(自分の肩で相手の肩に当る)であっても、乱暴なチャージは反則として取り扱われることになった。
なお、ファウルチャージ・バックチャージについては従来どおりである。
- コイントス
【ルール】
コイントスの勝者は、必ずエンドを取るようになった。キックオフを選ぶことはできない。
なお、PK合戦の場合には、勝者は必ず「先行」となることは従来どおりである。
【補記】
まさか、まだジャンケンしてないですよね?(苦笑) ルール第8条により決められていますよ。
- 明文化されていない警告・退場時のリスタート
【ルール】
ルールに明文化されていないケースにおいて、選手に警告/退場を与えるために主審がプレイを止めた場合には、相手側チームの間接FKによってプレイを再開する。
たとえば、一時退場した選手が主審の許可なしにピッチに入った場合などがこれに相当する。
【補記/審判へ】
上記ルールのケースと、それ以外のケース(例:ドロップボールによる再開)を混同してはならない。各自、ルールブックを再度参照されたい。
- 退場を与えるべき反則(行為)の追加
【ルール】
ボールが自陣ゴールに入ることを妨げるために、守備側のフィールドプレイヤーが手を使ってボールを止めた場合には、攻撃側チームに直接FK(またはPK)を与えると共に、この守備側の選手は退場となる。
これには、直接のシュートなどはもちろん、例えば決定的な場面において攻撃側選手が味方に出したパスを手で止めた場合なども含まれる。